作品情報
2023年/フランス製作/1時間50分/フランス語
原作:「星の少年の夢:菓子作りが彼を救った理由」ヤジッド・イシュムラエン著
監督:セバスチャン・テュラール
スイーツ監修:ヤジッド・イュムラエン
出演:リアド・ベライシュ、ルブナ・アビダル、クリスティーナ・シティ、パトリック・ダスマサオほか
ストーリー
22歳でパティスリー世界選手権のチャンピオンに輝き、現在世界各地の高級ホテルでデザート監修を任され自らも南仏やパリに店舗を持つヤジッド・イシュムラエンの実話。
少年ヤジッドは、スーパーマーケットで小麦粉や卵を盗み、ムース・オ・ショコラの試作に取り掛かる。母親に食べてもらいたい、褒められたい一心だった。しかし母親はアル中で育児放棄し、ヤジッドは定期的に里親の家で過ごすことになる。そこで決意したのはパティシエへの道。里親の家の息子がパティシエだったのだ。やがて青年になったヤジッドは、エペルネの養護施設の寄宿舎に入り、運よくパリの一流レストランで下働きの職を得る。しかし寄宿舎からパリまでは180キロという遠距離だ。他人の車を拝借して始発の電車に乗り、終電に乗り遅れれば駅のベンチで一夜を明かしてホテルに通った。
それを知ったシェフは、彼に*パリ・ブレスト君とあだ名をつけ目をかける。「デザートは素材の厳選がすべて」「修練あるのみ」「パティシエは調香師だ」シェフが語る教訓に従い、ヤジッドはぐんぐん実力を身につけてゆく。そして6年後、ヤジッドはコートダジュールの最高級ホテルで働いていた。
だが家はなく倉庫に荷物を預けての野宿生活。それでも彼は毎日デザートを作ることができて幸せだった。しかし、ヤジッドに嫉妬する同僚の嫌がらせに怒って手を出したためクビになり職を失ってしまう。
それでも彼は一流のパティシエへの夢は捨てなかった。
*パリ・ブレスト:パリから600km離れた港町ブレストまでの往復自転車レースを記念して、地元のパン職人が作ったリング型のシュークリーム。ヤジッドの遠距離通勤を知ったシェフは、彼が得意とするパリ・ブレストにも引っ掛けてこう呼んだのだろう。
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